この記事では、地中海の生物多様性ホットスポットであるクレタ島における固有植物の豊富さを解明するために、地形、気候、土地利用の相互作用を調査しています。研究では、種の分布や地形の複雑さ、気候変動、土地利用、土壌特性に関するデータを用い、人工ニューラルネットワークモデルを用いて固有種の豊富さにおける重要な要因を特定しました。その結果、全種の豊富さ、標高の範囲、気候の変動が固有種の豊富さを予測する際に最も強い要因であることが示されました。固有種のホットスポットは、高い全種の豊富さの地域とは部分的にしか重ならないことから、全種の豊富さは理想的な指標といえるが不完全であることが明らかになりました。また、環境的に多様な地域は生態系サービスも提供しており、その保護のためには山岳部や気候変動が顕著な地域を優先的に考慮する必要性が強調されています。本研究は、地中海の島々における証拠に基づく保全計画の枠組みを提供しています。