本研究では、椎茸(Lentinula edodes)を利用した持続可能なメムリスタの開発について報告しています。神経形態コンピューティングは脳の構造に触発されたもので、並列処理やメモリ保存、エネルギー効率などの利点がありますが、従来の半導体ベースのチップは希少材料を必要とし、コストが高い製造プロセスを伴います。椎茸の菌糸体は自己適応的な電気信号機能を持つことから、ニューロモルフィックコンピューティングの新たなプラットフォームとしての可能性があり、5.85kHzの高周波数で80%以上の精度を保つことができることを示しました。さらに、椎茸は放射線抵抗性も示しており、宇宙航空分野での応用も視野に入ります。この研究は、バイオエレクトロニクスと非従来型コンピューティングの架け橋となる、エコフレンドリーでスケーラブルなプラットフォームを提供することを目指しています。