本稿では、データセット所有権の確認のために新しい手法「SSCL-BW」を提案しています。この手法はサンプル固有のクリーンラベルバックドア透かしを用いており、従来の手法の欠点を克服します。従来の透かし手法は、ラベルの不一致により容易に検出されてしまう毒ラベル透かしや、高解像度画像に失敗するクリーンラベル透かしの問題を抱えていました。SSCL-BWは、U-Netに基づいた水印サンプル生成器を用いており、各サンプルに固有の透かしを生成することで、静的な透かしパターンの脆弱性を根本的に解決します。この手法は、目標サンプルの損失、非目標サンプルの損失、視覚的無知覚性を維持する損失という3つの要素からなる複合的な損失関数に基づいています。実験を通じて、この方法の有効性と透かし除去攻撃に対する堅牢性が示されています。