古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人間が合理的であることを他の動物との違いとして捉えました。この観点から、カリフォルニア大学バークレー校の進化人類学者ジャン・M・エンゲルマンは、チンパンジーが合理的に思考できるかを調査しました。研究では、チンパンジーが食べ物の入った箱を選ぶ際に、最初に得た証拠を元に選択し、その後に逆の証拠を提示されると、彼らは合理的に考えを修正できることが確認されました。特に、弱い証拠と強い証拠が提示された場合、最初に弱い証拠に基づいて選んだチンパンジーは、強い証拠を受け取ると選択を変える傾向がありました。また、3つの選択肢がある場合にも、証拠を整理し、選択が可能であることが示されました。この研究は、他の動物と同様に、チンパンジーも合理的思考ができる可能性があることを示唆しています。