本稿では、テレコム分野に特化したマルチモーダル大規模言語モデル（LLMs）の活用法と、それに伴う課題を解決するためのアプローチであるMM-Telcoを提案しています。LLMsはネットワークの最適化、トラブルシューティングの自動化、顧客サポートの向上、規制遵守の確保など、多くの業務に変革をもたらす可能性を持っていますが、特有の課題があるため、その導入が難しいです。MM-Telcoでは、テキストベースおよび画像ベースの多様なタスクを含む包括的なベンチマークを提供し、ネットワーク運用や文書品質の向上、関連するテキストや画像の検索など、実際のユースケースに対応します。また、さまざまなLLMsとVLMsを用いた実験を行い、専用データセットでファインチューニングしたモデルが性能を大幅に向上させることを示しています。これにより、現在の先端的なマルチモーダルLLMsの弱点を明らかにし、さらなる研究開発の指針となることを目指しています。