記事では、低リソース環境における名詞認識(NER)の課題を解決するための新しいフレームワーク「PANER」を提案しています。NERタスクは膨大な注釈データを必要とし、情報をラベル付けするコストが高いため、リソースが限られた環境では困難です。従来のゼロショットや指示調整アプローチは進展がありますが、ドメイン特有のエンティティへの一般化が不十分です。PANERは、二つの革新のもとで少量のデータで学習を行います。一つは、従来の指示調整アプローチを基にした新しいテンプレートで、最新の大型言語モデルの文脈を活用します。もう一つは、エンティティ情報を保持しつつ周囲の文脈をパラフレーズすることでデータを増強する戦略的手法です。実験では、これにより従来モデルと同等の性能を達成し、特にCrossNERデータセットにおいて平均F1スコア80.1を記録しました。この手法は、限られたNERトレーニングデータと計算能力を持つグループにとって有望な解決策を提供します。