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Argon2の採用と実用ソフトウェアにおける効果の評価

Evaluating Argon2 adoption and effectiveness in real-world software

https://arxiv.org/abs/2504.17121


本文では、Argon2の採用状況と効果についての分析が行われています。Argon2はパスワードハッシングコンペティションの勝者であり、理論上のセキュリティを実現するためには、強固な実装が必要ですが、その移行には多くの課題があります。実験では、パラメータ構成が推測コストに及ぼす影響を定量的に評価し、公共のGitHubリポジトリにおけるArgon2の採用状況に関する初の大規模調査が行われました。特にOWASPが推奨する46 MiBの設定が、SHA-256と比較して42.5%の侵害率低下を示す一方で、メモリの負荷が増すにつれて効果は減少することが指摘されました。また、弱いパスワードに対しては効果がないことも明らかになり、Argon2の理論的利点を実現するには、効果的なパラメータガイドラインと開発者教育が不可欠であると結論づけられています。