イギリスは19世紀末から1950年代まで世界有数の造船国でしたが、第二次世界大戦後の数十年で急激に衰退しました。戦後、イギリスの造船業は他国に比べて圧倒的な量の船を建造しましたが、競争の激化により生産システムの変革が求められました。アメリカの新しい造船技術や大型造船所の競争相手に対抗できず、イギリスの市場シェアは急落しました。1947年には世界の57%を生産していたシェアが、1957年には17%と大幅に減少。1970年代には5%未満、1990年代には1%にも満たず、2023年には商業船を全く製造していない状態に至りました。同国の造船業は、かつての成功がもたらした熟練労働の依存や管理の簡素化が、逆に変化への適応を妨げた結果、国際的な競争に敗れたことが明らかです。