本記事では、偏微分方程式(PDE)の解を学習するための新しいニューラル演算子であるウォルシュ-ハダマードニューラル演算子(WHNO)を提案しています。従来のフーリエ変換に基づく方法は、不連続係数を持つ問題においてギブス現象による悪影響を受けるため、WHNOはウォルシュ-ハダマード変換を用い、ピースワイズ定数の場に適した矩形波関数のスペクトル基底と学習可能なスペクトル重みを結合しています。WHNOは断熱ダルシー流、熱伝導、2Dバーガー方程式の三つの問題で性能を検証した結果、フーリエニューラル演算子(FNO)との比較において優れた精度を持つことが示されました。また、WHNOとFNOの加重アンサンブルを用いることで、いずれかの単体モデルを上回る改善が達成されることが明らかになり、特に不連続PDEの解における特長的な部分を効果的に捕えることができることが示されました。