リチウムイオンバッテリーの容量予測とその不確実性の把握は、信頼できるバッテリーマネジメントにとって重要ですが、老化の確率的特性から難しい課題です。本論文では、条件付き拡散U-Netと呼ばれる新しい手法を提案しています。この手法は、特徴エンジニアリングと深層学習を組み合わせており、拡散ベースの生成モデルを用いて時間系列予測を行い、注意機構を導入して予測精度を向上させます。バッテリー容量は実際の車両運用データから算出され、重要な特徴はピアソン相関係数とXGBoostアルゴリズムを使用して特定されます。提案されたCDUAモデルは、複雑な時間的依存関係を捉えるための自己注意を持つU-Netと、ノイズの多い観測から正確な容量値を再構成するデノイジングネットワークの2つのコアコンポーネントで構成されています。実験結果では、相対的平均絶対誤差(MAE)が0.94%、相対平方根平均二乗誤差(RMSE)が1.14%で、95%信頼区間も狭い結果が得られ、CDUAが誤差の少ない容量推定と確かな不確実性定量化を提供することが確認されました。更に、既存技術に対して優れた性能を示しています。