本稿では、戦略の知識と共通の知識に関するモデルを提案しています。従来の戦略的推論の研究は、情報があるかないかのセマンティクスを採用している場合が多いですが、我々のモデルでは、戦略の知識を細かいレベルで定義できるようになります。具体的には、一階、階層的及び共通の戦略の知識を区別することが可能です。本研究では、ゲーム「花火」(Hanabi)を用いて、高次の戦略の知識がどのような効果を持つかを示します。また、共通の戦略の知識が合意形成問題を解決するために必要であることを示し、モデル検査問題の可決性についても考察します。