この研究では、多モーダル深層学習(MDL)が計算病理学における新しいアプローチとして注目されているが、異なる情報源からのデータを統合することが必ずしも性能の向上をもたらすわけではないことが示されています。具体的には、前立腺癌のデータセットを用いて、組織病理学、放射線学、臨床データを統合することがどのように生化学的再発までの時間の予測に影響を与えるかを評価しました。高性能なモーダリティを統合することは性能を向上させましたが、逆に低性能のモーダリティを統合すると予測精度が低下することが分かりました。この結果から、多モーダルの利点は無差別にモーダリティを組み合わせるのではなく、性能に基づいた選択的な統合が必要であることが示唆され、計算病理学や医療画像におけるMDL設計への重要な示唆を提供します。