本論文では、ベイズ最適化(BO)における高速化を目指した新たな手法を提案しています。ベイズ最適化は、取得関数を最大化することで高性能なパラメータを効率的に見つける方法ですが、この取得関数の最適化には計算ボトルネックが存在します。従来のメソッドでは、非凸性によりクオジニュートン法を用いたマルチスタート最適化が必要だったため、効率が悪くなっていました。本研究では、BoTorchライブラリを利用し、複数のポイントで取得関数を一度に最適化する方法が提案されています。しかし、この方法には逆ヘッセ行列の近似誤差が生じ、収束が遅れることが示されています。これに対処するため、提案された方法では、コルーチンを使用してクオジニュートンの更新を分離し、取得関数の呼び出しをバッチ処理することで収束を理論的に同等に保ちつつ、計算時間を大幅に削減しています。この結果、従来手法に比べて実際の計算時間が短縮されることが期待されます。