本研究では、ゼロショットクリニカル命名体認識(NER)のために新しいフレームワーク「OEMA」を提案しています。従来の監視モデルは高額な注釈データを必要とし、ゼロショットNERでは大規模言語モデル(LLMs)を利用できますが、例の選定やプロンプトとの統合に課題があります。OEMAは、自己注釈者が例を生成し、SNOMED CTによるフィルタリングを経て、エンティティの説明を用いて正確な推論を行う3つのコンポーネントで構成されています。その結果、MTSamplesおよびVAERSデータセットにおいてOEMAは最先端の性能を達成し、関連マッチにおいては監視下のBioClinicalBERTに匹敵し、CRFを上回る性能を示しています。このフレームワークはオントロジーに基づく推論とマルチエージェント協力を通じて、ゼロショットNERの主要な課題に対処し、臨床NLP応用の可能性を示しています。