本論文では、ハードウェア記述言語(HDL)を用いたハードウェアフロントエンドデザインにおいて、大規模言語モデル(LLM)の潜在能力を活用し、生成されたHDL設計における機能エラーの問題を解決するためのフレームワーク「CorrectHDL」を提案しています。このフレームワークでは、高レベル合成(HLS)の結果を参照として用い、LLMによって生成されたHDL設計の文法エラーを修正します。具体的には、C/C++プログラムを基にLLMがHDLデザインを生成し、そのシミュレーションの挙動をHLS参照設計と比較して機能の正確性を向上させます。実験結果から、提案手法により生成された回路は、従来のHLS設計と比較して面積と消費電力の効率が大幅に改善されることが示されています。これにより、LLMの生成能力と伝統的なIC設計フローの正確性を結びつけたエージェント型HDL設計の可能性が強調されています。