本記事では、がんのサブタイピングや認識、突然変異予測において重要な役割を果たす全スライド画像(WSI)の表現に関する研究を紹介しています。従来の手法では、巨大なギガピクセルスライドに含まれる多数の画像タイルの勾配計算が困難でした。そこで、本研究は、動的残差エンコーディングとスライドレベルの対照学習(DRE-SLCL)を用いる新たな手法を提案しています。このアプローチでは、データセット中の全WSIの特徴をメモリバンクに保存し、トレーニング時にランダムに選ばれたタイルの特徴を計算します。メモリバンクから追加の特徴を選択し、それらを用いて個々のWSIの表現を生成します。最後に、スライドレベルの対照損失が算出され、提案手法の有効性ががん関連タスクで示されています。