本研究は、表形式のデータに対する状態空間モデル(SSM)の可能性を探ります。最近の基盤モデルの進展、特にTabPFNは、事前学習したトランスフォーマーがベイズ推論を高い予測性能で近似できることを示しましたが、トランスフォーマーは系列長に対して二次的な計算量を抱えており、より効率的な系列モデルの探求が求められています。今回、二方向線形時間構造状態空間モデルHydraをトランスフォーマーの代替手段として検討しました。SSMの問題は入力トークンの順序に対する感度です。これは行順が意味を持たない表形式データにとっては望ましくありません。二方向アプローチが効率を保ちながら対称的な文脈集約を可能にする程度を調査しました。実験結果から、提案するアプローチは順序依存性を軽減し、元のTabPFNモデルに匹敵する予測性能を達成することが示されました。