著者は、多くの数学問題を解いてきた中で特にお気に入りの問題について紹介しています。その問題は、通常のチェス盤から対角にある2つの角のマスを取り除いた「傷ついたチェス盤」を2x1のブロックで覆えるかどうかという問いです。この問いには、答えは「いいえ」であり、なぜなら傷ついたチェス盤には32の白いマスと30の黒いマスが存在し、2x1ブロックは常に異なる色のマスを2つ覆うため、対応することができないからです。著者は、この問題が簡単でありながらも、独自に解決策を見いだすのが非常に難しいところが魅力的だと述べ、数学の存在証明や抽象的な定義との関係性を強調しています。また、コンピュータが数学的な理論を理解し、形式化するための進展についても言及しています。