XDP(eXpress Data Path)は、Linuxの最速のパケット処理フレームワークですが、従来は受信トラフィック専用の機能でした。この記事では、Linuxカーネルがパケットの方向を判断するプロセスを利用し、XDPを送信トラフィック(エグレス)に適用する方法を紹介しています。このテクニックにより、従来の解決策と比較して10倍のパフォーマンス向上が実現でき、既存のDockerやKubernetes環境とも互換性があり、カーネルの変更は不要です。具体的には、ライブマイグレーション中に、アプリケーションが気付かないうちにパケットを処理し続ける必要がありますが、XDPの強力な性能がそれを可能にします。従来の方法であるTraffic Control(TC)の限界にも触れ、XDPがエグレストラフィックにも対応することで新たな選択肢が生まれることの重要性を解説しています。