本記事では、Rust言語を用いてコルーチン方式で実装されたサイクル精度の6502 CPUエミュレーターについて解説しています。従来のCPUエミュレーターは、命令を一度に実行するため、他のコンポーネントとのタイミング調整が難しいという課題があります。特に、NES（ファミコン）では6502 CPUとPPU（画像処理ユニット）が異なるクロックサイクルで動作するため、エミュレーションの精度に問題が生じることがあります。この記事では、CPUをサイクル単位でステップ実行できるように設計することで、この問題を解決する方法を提案しています。具体的には、CPUの状態遷移をクロックサイクルに対応させる状態機械として実装し、これによりPPUと同期して動作できるエミュレーションを実現しています。