本稿では、医療検査における触診を人工的に再現する手法について検討しています。従来、触診はほぼ完全に人間によって行われていましたが、著者らは自己教師あり学習に基づく新しい触診方法の概念実証を行っています。具体的には、エンコーダ・デコーダフレームワークを使用して触覚測定の系列から物体の全情報を含む「表現」を学習し、これをタクティルイメージングや変化検出などの下流タスクに活用します。十分なトレーニングデータを利用することで、力の単純なマップを超えた複雑なパターンを捉えることが期待されます。実際のデータセットの収集やシミュレーション環境の構築を行い、触覚センサーを搭載したロボットを使用して触診のシーケンスを収集し、異なる位置でのセンサ読み取りを予測するモデルを訓練しました。この過程で学習された表現の活用法を示し、成果を報告します。