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Fil-Cに関するノート

A Note on Fil-C

https://graydon2.dreamwidth.org/320265.html


Fil-Cは、Filip Pizloが開発したClang用のメモリ安全性を提供するインストゥルメンテーションパスであり、空間的安全性(範囲外アクセスによるエラー)および時間的安全性(解放後の使用)を実現するためのランタイムサポートライブラリや並行GCを含んでいます。このツールは既存のコードに高い互換性を持ち、Linuxディストリビューションのユーザースペースを構築するのも容易になる可能性があります。パフォーマンスのオーバーヘッドは、特にIOバウンドのワークロードにおいては許容範囲内である可能性が高いとされています。ただし、Fil-Cは静的にエラーを防ぐものではなく動的に対処し、メモリエラーによるクラッシュは完全には回避できません。GCのチューニングによってガベージコレクションのオーバーヘッドは調整可能ですが、メモリ利用量は増加する可能性があります。最終的には、Fil-Cを使用することで一時的な安全性を確保しつつ、プログラムの速度やメモリ使用量を制御するオプションが提供されると述べています。