系統的に推論できるモデルの設計は、人工知能の重要な課題です。近年、神経記号的アプローチやトランスフォーマーのバリエーション、特化型グラフニューラルネットワークなど、多様な解決策が提案されてきました。しかし、既存のベンチマークは推論が関係パスの組成に還元できるという単純化された前提に基づいており、この前提は多くのモデルに組み込まれています。そのため、これらのモデルは既存のベンチマークで優れた結果を出す一方で、他の設定への一般化は困難です。本論文では、神経ネットワークを用いた系統的関係推論の進化を促進するために、パスに頼らず、より高い難易度を要求する新しいベンチマーク「NoRA」を提案します。