1996年6月にリリースされたQuakeは、3Dハードウェアアクセラレーターカードの登場やインターネットの成長、MicrosoftによるWindows 95およびWindows NTへの移行といった大きな技術的変革の中で躍進しました。特に、MS-DOSからの移行により、多くのゲーム開発者が困難な状況に置かれる中、id SoftwareはDOSとWindows両方で動作する単一のバイナリ「quake.exe」を開発しました。これにより、QuakeはWindows 95のTCP/IPスタックを利用できるようになり、さらにそのパフォーマンスを向上させることに成功しました。quake.exeはDOS実行ファイルであり、id Softwareは以前のDOOMで使用したWatcomコンパイラから、djgppというGCCのポートに切り替えてQuakeのクロスコンパイルを行いました。これにより、異なる環境で動作するプログラムを設計・実行するという技術的な挑戦を克服しました。最終的に、QuakeはDOSとWindows 95の両方での動作を実現しました。