ポジティブ・アンラベル(PU)学習は、ポジティブデータとアンラベルデータのみが利用できる状況を考慮しますが、ネガティブデータは欠如しています。このような状況は、信頼できるネガティブデータの注釈付けが難しい現実のアプリケーションでは一般的です。しかし、マルチクラスの場合(MPU)は未だ課題が多く、既存の方法では「無偏リスク推定」を確保できないものが多く、そのため性能や安定性が制限されます。本研究では、コスト感度に基づくマルチクラスPU学習手法を提案します。この手法では、実経験リスク最小化の枠組み内で、ポジティブと推測されたネガティブの損失成分に異なるデータ依存の重みを割り当てることにより、無偏の目標リスク推定器を実現します。提案した推定器の一般化誤差境界も確立されており、実験では8つの公共データセットで強力な基準を上回る安定した性能を示しました。