時系列異常検知(TSAD)はデータマイニングにおいて重要なタスクであり、ラベルの不足が制約となることが多い。従来は無監督時系列異常検知(UTAD)が主流であり、複雑なモデルを用いて正常データの分布を導出することに焦点が当てられていたが、実際には限られた異常ラベルから得られる性能向上が大きいことが多い。本論文では、教師ありと無監督の手法を初めて系統的に比較し、STANDという簡素化された教師ありベースラインを導入した。5つの公開データセットでの実験により、限られたラベル予算下でもシンプルな教師ありモデルが最先端の無監督手法よりも大幅に優れた性能を発揮することが示され、監視の持つ高いリターンや、実用性も高いことが確認された。これらの知見は、データ中心のアプローチへとTSAD研究の方向性を転換することを提唱している。