この研究は、急性腎障害（AKI）を経験した患者が慢性腎疾患（CKD）に移行するリスクを評価する新しい方法を提案しています。電子健康記録（EHR）データを用いて、AKI患者の臨床状態の進行を動的に追跡し、進行の特徴を明らかにしました。研究に参加した20,699人のAKI患者のうち、17％にあたる3,491人がCKDを発症。その過程で15の異なる後AKI状態を特定し、CKDへの進行確率を多状態モデルで推定しました。従来のリスク因子に加え、新たなリスク因子も見つかり、これらの因子は臨床状態ごとに異なる影響を及ぼすことが示されました。このアプローチは、高リスクなAKI患者の識別を支援し、早期のCKD検出と介入に向けた意思決定支援ツールの開発に寄与することを目指しています。