本研究では、大規模言語モデル(LLMs)の能力を用いて、生物医学文献における研究の知識ギャップを特定する方法を探る。知識ギャップは、明示的なギャップ(欠けている知識が明確に示されている)と暗黙的なギャップ(文脈から推測される欠けている知識)の2つに分類される。本研究では、従来の明示的なギャップ検出に加え、暗黙的なギャップの推測を新たに扱う。約1500件の文書を対象に2つの実験を実施し、閉じた重みモデル(OpenAIのもの)と開いた重みモデル(Llama と Gemma 2)を比較した。推論のための新しい手法「TABI」を導入し、推測された結論候補の検証を構造化して行った。その結果、LLMsは明示的および暗黙的知識ギャップの特定に優れた能力を持つことが明らかになり、特に大型モデルでのパフォーマンスが良好であることが示唆された。これは研究の初期段階において候補ギャップの特定を支援する可能性があり、今後の応用や展開についての方向性も提言している。