本論文では、部分微分方程式(PDE)を解くための効率的な代理モデルを開発する新たな枠組みとして、「深層ニューラル常微分方程式(ODE)オペレーターネットワーク」(NODE-ONet)を提案しています。従来の手法は、PDEに内在するドメイン知識を無視し、時間的ダイナミクスのキャプチャやトレーニング時間外の一般化に関する課題に直面しています。NODE-ONetは、入力関数を空間的に離散化するエンコーダー、潜在的な時間的ダイナミクスを捉えるニューラルODE、物理空間で解を再構築するデコーダーからなるエンコーダー-デコーダーアーキテクチャを採用しています。このアプローチにより、PDE特有の物理特性を組み込んだ新しい物理エンコードされたニューラルODEを提案し、数値的効率性や一般化能力を高めることに成功しています。非線形拡散反応方程式やナビエ-ストークス方程式に関する数値実験でも高い精度を示しており、科学的機械学習のためのスケーラブルなツールとしての可能性を強調しています。