本記事では、非線形測定を用いたデータ駆動型非線形状態推定(DANSE)手法に関する研究を紹介しています。この手法では、状態遷移モデルが未知のプロセスに対して、リカレントニューラルネットワーク(RNN)を利用し、すべての過去の測定値からガウス事前分布のパラメータを推定します。従来のDANSEは線形計測システムを想定していますが、本研究では非線形計測に直面し、閉形式の解法が不可能であるため、非線形測定から得られる状態後方分布の二次統計を計算する新たなアプローチとして、粒子ベースのDANSE(pDANSE)が提案されました。pDANSEは、計算量の大きい連続モンテカルロ法を避け、効率的に測定を処理します。また、ラベル付きデータがない場合にも適応可能な半教師あり学習法を導入しています。最終的に、Lorenz-$63$システムをベンチマークとして、四つの非線形測定システムにおける状態推定性能を検証しています。