本記事では、ポスト量子暗号技術を利用した量子耐性ネットワークのアーキテクチャを提案しています。量子ネットワークは、量子チャネルと古典チャネルの両方を用いて動作しますが、現在の設計は古典通信が十分に安全であると仮定しています。しかし、従来の暗号方式で保護された古典チャネルは、大規模な量子コンピュータによって破られる可能性があるため、実際には脆弱です。本提案では、古典通信をポスト量子暗号技術で保護し、量子チャネルを介したエンタングルメントベースの通信を支援しています。また、量子層と古典層の継続的な監視を取り入れ、多様なインフラストラクチャ間のオーケストレーションを行うことで、エンドツーエンドのセキュリティを確保します。このようにして、従来の脅威や量子時代の脅威に対しても信頼性が高い、スケーラブルで堅牢な量子ネットワークの実現に向けた道筋を提供しています。