LTO-10テープは、LTO-9に対する進化を期待されていたものの、データの入出力速度の向上がなく、後方互換性も失われたため、期待外れとされている。LTO-9の技術的背景を簡潔に説明した後に、LTO-10の特徴を考察すると、LTO-10は容量が増加したものの、入出力速度は400 MBpsのままであった。また、LTO-10ドライブはLTO-9テープに対する読み書きを行えない仕様であり、LTO-9はLTO-8に対する後方互換性を持っている。これにより、ユーザーは既存のテープからのデータ移行に難を感じることとなり、IBMがどのような理由でこれらの選択を行ったのかに疑問が生じる。全体として、LTO-10の運用において複数の技術的制約によって、期待されていた改善が実現されなかったことが浮き彫りになっている。