本論文では、STREAM-VAEという自動車テレメトリの異常検出に特化した変分オートエンコーダ(VAE)を提案します。自動車のテレメトリデータは、同一のシーケンス内で遅い変動と速いスパイクを示すことが一般的であり、これが異常検出を難しくしています。従来の方法では単一の潜在過程を利用するため、異なる時間スケールが混ざり、スパイクが平滑化されたり分散が過大評価され、異常の区別が難しくなります。STREAM-VAEはデュアルパスエンコーダを利用して、遅いドリフトと速いスパイク信号の動態を分離し、デコーダは通常の動作パターンからの一時的な逸脱を別々に扱います。実験結果は、ドリフトとスパイク動態の明確な分離が予測やVAEのベースラインに対してロバスト性を向上させることを示しています。また、車両内モニタリングやバックエンドのフリート分析での安定した異常スコアを生成できることも特長です。