本論文では、共分散行列と精度行列を同時に推定するための分布耐性モデルを提案しています。このモデルは、ノミナル分布を中心とした曖昧性セット内の全ての分布に対する共分散推定器のフロベニウス損失と精度行列推定器のスティーン損失の最悪値を最小化します。曖昧性セットの半径は、凸スペクトルダイバージェンスを通じて測定され、提案された推定モデルは、凸最適化問題に還元可能です。その結果、準解析的な推定器が得られ、共同推定器は非線形収束推定器として示されます。推定器の固有値は、損失項の重み係数によって決定される正のスカラーに向かって非線形的に縮小されます。この収縮効果は、経験的共分散/精度行列推定器のスペクトルバイアスを修正し、推定器の条件数を改善します。数値実験において、提案する収束推定器は、実用的なアプリケーションにおいて最先端の推定器と競争力があることが示されています。