本研究では、小規模アンサンブルを用いた新しいデータ同化手法を提案します。従来のアンサンブルカルマンフィルター(EnKF)と全結合ニューラルネットワーク(FCNN)を組み合わせ、分析精度と計算効率のトレードオフを改善します。小さいアンサンブルサイズで生成した初期状態に基づき、FCNNを使用して修正項を学習・予測し、性能の低下を軽減します。Lorenzシステムや非線形海洋波場の数値実験により、提案手法であるEnKF-FCNNが同じアンサンブルサイズの従来のEnKFよりも高精度を実現し、計算コストの増加がほとんどないことが示されました。さらに、この手法は他のモデルとの組み合わせや異なるアンサンブルに基づく同化手法にも適応可能であることが強調されます。