アルツハイマー病は患者の日常リズムを混乱させることで知られています。睡眠不足や日中の昼寝、さらに夕方の混乱（サンダウンニング）などの症状は、病気の進行と体内時計であるサーカディアンシステムとの関連を示唆しています。セントルイスのワシントン大学医学部の研究者たちは、アルツハイマー病のモデルマウスを用いて、特定の脳細胞内のサーカディアンリズムが乱れ、数百の遺伝子の活動に影響を及ぼすことを明らかにしました。この研究結果により、サーカディアンリズムを制御または修正することで、アルツハイマー病の治療法の可能性が示唆されています。研究では、アルツハイマー病に関連付けられた82の遺伝子のうち約半数がサーカディアンリズムによって調節されていることが確認されました。さらに、アミロイド蓄積がサーカディアンリズムを乱し、脳の免疫反応や神経間のコミュニケーションを担う細胞に影響を及ぼすことが分かりました。